2006年11月15日
ログ解析 初級編1 ~まずはサイトの状況を知ろう
柴田
株式会社イー・エージェンシー
ログはユーザーの足跡
運営しているウェブサイトがどれぐらいのユーザーに、どのように使われているかを判断する指標は何でしょうか?
アンケートやユーザーテストという手法もありますが、ほとんどの人が真っ先に「ログ解析による効果測定」をあげるのではないでしょうか。
ログは、ユーザーがサイトにアクセスした時にサーバーに残していく足跡です。しかしこの足跡は、そのままでは単なる数字に過ぎません。
ユーザーがどんな目的でやってきて、サイト内でどう動き、どんなアクションを起こしたのか。運営者が、数字と数字を付き合わせて、意味を読み取っていく必要があるのです。客観的な数字によって効果測定を行い、サイト運営に役立てていきましょう。
ログ解析ツールの種類とは?
ログはプレーンテキスト情報として蓄積されていきます。このテキスト一行一行が、ユーザーアクションの履歴となります。リクエストされたページ(ユーザーが閲覧したページ)や時間、参照元、利用ブラウザなどのアクセス情報が一行に収まっています。大規模サイトの場合はこのユーザーアクションが膨大な数になるため、一か月分のログデータがDVDメディア数枚分に相当することもあります。これらデータを処理し、わかりやすい形に直してくれるプログラムがログ解析ツールなのです。
ログ解析ツールのタイプについて軽くおさらいしておきましょう。ログ解析ツールには3つのタイプがあります。
まずは、サーバーの生ログを解析するタイプ。
今話題のGoogle AnalyticsのベースであるUrchinやSiteTracker、ClickTracksが代表的なツールです。
メリットはログファイルがあれば、過去にさかのぼって解析できることでしょう。ただし、ログの大きさやサーバー構成によって、解析工数がかかる可能性があります。またログが溜まるまで解析できませんから、リアルタイムの分析には不向きとなります。
二つ目は、htmlファイルにログ取得用のタグを埋め込むASP解析サービスです。
VisionalistやSiteCatalyst、SiteCensusが代表的です。タグさえ埋め込めばその日のログから解析でき、ブラウザを介して様々な分析が行える手軽さなどから現在、主流となっている方式です。ただし、アクセス数によって料金が変わるため、サイトの成長に伴いコストが増加する可能性があります。そんなときは重要コンテンツの解析に的を絞り、タグを入れるファイルを抑えるのも一つの手です。
一ファイルに複数のタグを入れることもできますから、サポート体制のしっかりした有料サービスだけでなく、無料のGoogle Analyticsを併用し、サイト全体のアクセス状況はこちらで判断するのもいいかもしれません。
三つ目は、パケットキャプチャ形式の解析ツールです。
RTmetrics、Visionalistエンタープライズ等です。RTmetricsを例に挙げると、「Real Time」の頭文字を製品名にしているだけあって、サイトに何が起こっているのかをリアルタイムで解析できます。また、モバイルサイトの解析もでき、複数のサーバー拠点を持つ大規模サイトのアクセスにも耐えうる設計となっています。高機能型ですが、ネットワーク上でスイッチのミラーポートを使用するため、他の2方式に比較して高価格の設定となっています。
一概にどの方式がいいとは言えませんが、サイトの規模、特徴、今後の展開などを踏まえてツールを選ぶことが必要です。
全体像をとらえる
ほんの数年前までは、ページビューや訪問者数、外部流入元(いわゆるリファラー)、来訪検索語句、コンバージョンレートなどがログ解析で重視すべき項目でした。現在もそれらが重要なことに変わりはありませんが、ログ解析ツールの進化に伴い、さらに多くのことがわかるようになっています。
解析ツールによっても異なりますが、ユーザーの居住区域や利用プロバイダ、閲覧ブラウザとOSの種類、再訪問率に訪問頻度、一ページしか見ずに去っていった訪問者数(直帰率)等々。軽くあげるだけでも、これだけのことがわかるようになっています。
解析できる数値が多くて混乱しそうという人は、まずサイトにアクセスするユーザーの全体像を把握することです。ページビューと訪問者数の推移をグラフにし、月や週単位でどのような動きがあるのかを見ていきます。
健康に気をつける人は、自分の体重をチェックしています。サイト運営も同じこと。アクセス状況を知り、サイトが健康かどうかを日々確認する必要があります。
メールマガジンやキャンペーンを打っているなら、きちんと集客に貢献しているか確認するのも重要なポイントです。これらは日別ページビュー/訪問者数推移と参照元分析からわかります。
思いがけずアクセスの多い日があれば、その原因を突き止めましょう。ひょっとして、どこかの人気サイトで紹介されたのかも?それともサイトと関係の深い内容のテレビ番組が放送されたのかも?検索語句とあわせてみていくと、意外な来訪経路があるかもしれません。
もし、予期しなかった参照元から来たユーザーがコンバージョンに結びついていたとしたら、新たなサイトプロモーション策を練る必要があるということになります。
最も見られているのは、どのページなのか?これも大事ですね。ユーザーに人気のあるページの傾向を把握し、さらに関連情報コンテンツを増やすようにしていきます。
これらは週単位、月単位など、一定期間ごとに見るべき定点観測項目です。継続してログ解析を行い、アクセス状況の波をつかみましょう。
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